艦内神社ノ世界

艦内神社FAQ

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 コンテンツを一気に整備する余裕が無いので、とりあえずFAQの形で簡易整備しました。
 将来的に独立記事になったりならなかったりする予定。

現在解っている情報を元に書いていますので、新資料の発見により変わってくることもあります。
総合的な話
艦内神社はすべての艦にあったのか

 大正時代中までは必須ではなく、たとえ戦艦であっても載せないこともあった。(例:戦艦比叡は1926年5月まで艦内神社がなかった)
 昭和初めの頃には「慣例」として「艦名にちなむ神社、もしくは海神系の神社か皇大神宮」を必ず載せるようになり、昭和12年頃に皇大神宮を必須に、その後昭和15年11月末に出された「海軍諸令則」で艦内神社に関する件が正式に決定され、それにはまず主祭神として天照大神を祀るようにと決められた。

駆逐艦や潜水艦には艦内神社は無かった?
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呂26~28潜水艦の艦内神社(歴史読本2010/9より)

 駆逐艦や潜水艦にも艦内神社はある。それだけでなく、駆潜艇や掃海艇、海防艦にも整備されていた記録がある。ただ艦内の余裕スペースがないので小さな神棚のようなものだったという。

 これらの艦は「艦名に因める場所」がない艦がほとんどのため、基本的には崇敬神社(海神もしくは皇大神宮など)のみを載せている。しかし、ごく僅かだが氏神神社を祀った例もあり、長野県の有明山神社を分霊した駆逐艦有明等がある。他にもあるかもしれないが現状は不明である。

艦内神社の例祭日は?

 海軍緒令則によると伊勢神宮の大祭日、艦の進水日・竣工日・祭神の奉祀日あたりが適当とあり、艦によってバラバラだったのが実情のようである。

艦内寺院があった?

 いろいろ資料を見てきたが、艦内寺院といえるようなものは少なくとも日本の海軍艦艇には無い。
 重巡摩耶と摩耶山天上寺がらみで艦内寺院があったと誤解されることもあるが、摩耶の艦内には皇大神宮を祀っていることがわかっている。その神棚に天上寺のお守りを供えたことも分かってはいるが、だからといってそれが「寺院」ということにはならない。

生き残った艦の艦内神社は戦後どうなったのか?

 終戦後すぐ燃やされたもの(戦艦長門)もあれば、退艦時に持ち帰って乗組員関係者の家で生き残っているものもある(雪風)。かなり稀に解体時に取り外された神殿が残っているケースもある(長鯨)。
 神霊を元の神社に返したという記録は戦艦榛名(昭和30年奉還)程度で、ほぼ残っていないようである。

艦内神社と船玉信仰

 元々日本では古くから「船霊信仰」というものがあり、商船や漁船などでも船内に祠を祀ったりする風習がある。しかしそれを神社と呼ぶことは特になく、あくまでも「神棚」である。 祭神の分霊もなく神札を祀る程度である。
 今の研究では海軍の艦内神社についても船玉信仰の延長上にあると考えられているが、初期の艦艇には艦内神社が設置されていなかったことや、設置初めの頃は寄贈によるものも多かったという事実から、船霊信仰とはまた違った系統で完成されていった可能性もあるのではないかとも考えている。

神札がある=分霊済なのか

 神札がある=分霊ではなく、神札と分霊については別である。戦艦鹿島や軽巡川内など、先に艦へと神札が送られ、後に祭神を正式に分霊したというケースが存在している。
 このサイトでは艦内神社の定義として「勧請元の神社から祭神が分霊されたもの」を基本としている。そのため、神札を祀っているだけの状態では祭神としては要検証としている。例えば重巡加古は艦内神社に日岡神社の神札があったという証言はあるのだが、神社側に分霊の記録はないようであり、このケースの可能性も考えられる。また、戦艦金剛でも乗組員が葛木神社の神札を頂いてきたという記録があるが、これもこのケースに当てはまるため要検証としている。
 今後の資料の発掘により、他の艦でも要検証に格下げされるものは出てくるかもしれない。

自衛艦には艦内神社はあるのか?

 戦後の艦内神社の復活は昭和31年の初の国産自衛艦「いかづち」であった。経緯としては船玉信仰の流れに近く、艤装委員長の自費で金比羅宮が祀られることとなる。
 その後の艦艇には神棚が復活し、現在では金比羅宮や艦名由来の場所の神社の他、造船所近くの神社などが選ばれていることが多いようである。
 なお諸事情により、自衛艦の艦内神社については当サイトでは基本的に取り扱わない予定である。

調査について
艦内神社についてのオススメの書籍を知りたい

 文献一覧は研究資料として纏めているので確認いただくとして、とりあえず艦内神社について総合的に知りたいのであれば『「艦内神社 艦に祀られた神々」斎藤義朗(歴史読本2010/09号)』がオススメである。図書館で読むのであれば雑誌系統はバックナンバーにあると思うので、合わせて『「艦内神社ガイド」久野潤(歴史群像2012/08号)』『「艦内神社探訪ガイドブック」久野潤(歴史群像2014/8月号付録)』も読んでおくと良いかと思う。
 また、『「帝国海軍と艦内神社」久野潤/祥伝社』も市販の本では唯一の艦内神社についての本であり、内容に注意が必要な場所もあるが読んでおくべきではある。
 同人誌では研究メンバーの青山正仁氏がひたすら艦内神社関連の記述を集めた『艦内神社拾遺』を出している。研究の進展に合わせて定期的に改訂されているのと、基本的にイベントでしか頒布していないので注意。(頒布予定イベントは彼に直接問い合わせください)
 全部集めてもそんなに多くはないので、本格的に知りたい人は全部読んでみると良いかと思う。

自分も調査してみたい

  大 変 で す ぞ。

micro もし気になっている艦が居るのであれば、その艦についてをひたすら追っかけてみることをオススメしたい。(総合的に調べるのはかなり大変)
 入港記録はアジア歴史資料センター(アジ歴)の海軍公報 1で調べられるので、ひたすら入港記録をまとめた上で、入港先の県立図書館などで入港時の新聞を漁る。するとだいたい何をしに来たかが載っている。要するに艦名に由来する先に入港した際は奉祀された神社等に参拝している確率が非常に高く、それが報道されている可能性も高い、と言うわけである。
 また、その由来する土地に住んでいるのであれば、ひたすら戦前の新聞を回すのも有りである。どこに何が載っているのか解らないのでひたすら回すしかない。
 そんなわけでだいたいつらい。

「聖地巡礼」として神社に行くのはオススメ?

 境内には何も無い神社がほとんどな上、神社の人さえも何も知らないことが多いのであまりオススメはしない。

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Notes:

  1. 防衛省防衛研究所>海軍一般史料>0法令>海軍(二復)公報
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